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ボールを打つ前にまず “理屈” を知っておく

まっすぐラケットが進むスイング根拠とする理屈を考える
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テニスをやるなら “理屈” を知っておきたい

我々は日々、物理法則下の世界で生活しています。

授業のような事を言っていますが普段の生活の中で物理法則を体感し学んでいます。

『慣性の法則』はおなじみですよね。

電車に乗る際、急発進、急停車でバランスを崩してしまうのが慣性の法則によるものだという事は多くの方が知っていて、手すりにつかまったり、足を踏ん張って備えたりします。手に付いた水滴を振って払うのも、残りの少ないマヨネーズの容器を振って注ぎ口側に寄せるのも慣性の法則を利用している事になります。

慣性の法則

日常生活で体感しているならテニスの場でも当然影響してきます。

ボールが飛び回転がかかるのも “物理的な現象”です。

漫画やアニメの必殺技、超能力的な飛び、ボールの質はありません。世界的なトッププロの速く強い回転がかかった威力のあるボールもきちんと理由があるから生まれているのです。

物理的な事象が起きる理由、起きる条件が決まっているなら、その条件を理解して整えるようにするだけで望む結果が得られやすくなる

でしょう。

例えばですが「今、ボールを打った相手はあそこに居る。あの部分にこういうボールを打ち返せば、次に相手から、自分が決めやすいこういうボールを返球させられそうだ。打つボールの速度や回転はあんな感じ、こういう軌道で打ちたい。相手のボールの速度や回転は多分こういう風だろう。そうするとコートのあの辺りから打てば良さそうだ」といった事を (少し大げさに書いてはいますが) 打つ度に毎回考えていたらどうでしょう。

恐らく「とにかく今、このボールを強く打ってやろう」と “だけ” 思っている方とは、両者が同じ位のレベル、技量でも、絶望的なほど結果に差が生じてくる思います。

その人の実力と関係ない部分で不必要なミスを量産しているのに「ミスするのは実力が足りないせいだ。上達すればミスしなくなるはずだ」と思ってしまう。多少技量が上がっても同じミスを繰り返す事で「まだ技術が足りないからだ」とか「これ位できれば十分だ。仕方がない」とか考える。そういう方をよく見ます。

どちらが安定して同じ結果を生みやすいと思いますか?

ボールが飛び回転がかかるのは、

1) ボールに加わるエネルギー量
2)エネルギーが加わる方向性

の2つが結果を生む条件として関係するからだと考えています。

質問ですが、下の2つの内のどちらの打ち方が安定してボールが飛び、同じような結果を得やすいと思われますか?

a. ボールに当たる前後でラケット面の向きが大きく変化する打ち方

円軌道のスイング

b. ラケット面が同じ方向に長く進んでいくような打ち方

まっすぐラケットが進むスイング

この比較だけを見ると “b” を選ばれるかなと思います。

aの方は「ちょっと当たるタイミングがズレるだけで左右にブレて飛んでいきそう」です。

※「aかな」と思われた方は「ボールはこうやって打つもの。スイングはこうやってやるもの」という情報に判断が影響されておられるのかもしれません。

インパクトの瞬間に操作する事は不可能

ボールとラケットが接触するインパクトの時間は0.003~0.005秒と言われます。

人の反応速度は速い方で0.2~0.3秒です。

これらの事から「ラケットがボールに当たった瞬間を人が認識し、それに操作を加える事はできないだろう」考えられます。

我々が「当たる瞬間を見て打っている」と思っているのは感覚的な部分。脳内でイメージを作っているのだと思います。ボールに当たる0コンマ何秒か前に行った操作しかインパクトには反映されません。

改めて触れますが「インパクトの瞬間、ボールとラケットが接触する打点の位置を見ていない」プロテニス選手は少なくないのです。

人がインパクトの瞬間に直接的に関わる事が難しい以上、上の2つの例で上げたように

「インパクトの瞬間を含む、その前後の一定距離、一定時間、ラケット面の状態が大きく変わらないスイングは自分が望む結果に繋がりやすい」

という事が言えるのだろうと考えます。

実は、上の例の “a”のような打ち方をしている方は本当に多いのです。

理由があるから結果が生まれているだけなのですが、ご自身でそうと認識されないまま、aのような打ち方をされ「うまく打てないな」「調子が悪いな」と思われているのは本当に勿体ないと思っています。

知らないままより知っておいた方が良い

私が、テニスをやる前、ボールを打つ前に知っておいて欲しいと思う “理屈” は、日常生活で慣性の法則を経験的に対処している、用いているのと同じ位の理解で十分。机に座って難しい公式を覚えなさいとった事は全くありません。

何でもそうだとは言いませんが「知らないままなら知っておいた方が良い」事はたくさんあります。「弧を描いて飛んでいくテニスボールが何メートル先に着地するか」を計算するのに中学で習う “微積分” を使ったりします。私も「こんなの勉強したって一生使わない」と思っていました。(今から覚えろという事ではありません)

テニスの練習というとボールを打つ事を重視しがちです。

素振り等、ボールを打つ経験無しに上達は難しいでしょうが、それ以上にテニスについて考え、知る、理解している事がテニスの上達のためにとても大切なのだろうと私は思っています。

調子を維持するためにたくさんのボールを打つ。調子を戻すためにもたくさんボールを打つ。感覚的なものは突然分からなくなり戻すのも大変です。一方、ボールが飛び回転がかかる理屈を理解していればそれを根拠にボールを打てます。何をやれば良く何をやればミスにつながるのか、上達のためにすべき事も明確に出来ます。上達への道筋もゴールまでの距離も方向も分からず、ただ毎日たくさんボールを打つ練習の先にどれだけの方が望む上達を得られるのだろうと思います。

考えるのはメンドクサイですよね。誰もが手っ取り早く上達できる方法を聞きたいでしょう。でも「今のままじゃ嫌。上達したいから自分で考えるのもやってみよう」という方には “理屈” の理解は参考になるだろうと思っています。

全くの初心者、初心者に近い段階の方は先の述べたようにテニススクールに通い、指導を受けていかれるのが良いです。コーチから色々と学び、整った環境を利用して練習する中で自分なりのテニスへの理解を深めていきましょう。インプットした情報を自分なりのアウトプットに出来ない段階で「知ろう」とばかりする (全部知ってからじゃないと不安) のは、本来出来ていたはずの前進を失うかもしれません。上達にもマイナスです。

※私自身、専門家でもテニスコーチでもありません。このサイトで書いている内容は私が自分のテニス上達のために考えた事を小学生の夏休みの課題発表のように書いているだけのものです。『テニススクールでは教わらない』ような事ばかりですし「あのサイトに書いてあった事と違う」とコーチの指導に意義を唱えたりされないでください。私が伝えたい事がそのまま理解いただけるとは思っていません。どう理解されるかは読まれる方にお任せするしかありません。ご自身の中で色々な情報を整理しご自身のテニスへの理解を深めていただければと思います。