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プロのレッスンを受ければ上達するのか?

tennis 上達を目指すために

プロのレッスンを受ける機会

テニスにはプロテニスプレーヤーが居ます。

Cincy Open Tennis 2015

「プロ」の定義は様々ですが、日本では成績を残した上で日本テニス教会に申請、承認を受けた方になると思います。(指導という面では「プロコーチ」の認定制度もありますね)

さて、我々がプロテニスプレーヤーと接する機会は「試合を観戦する、応援する」以外にも出席されるイベントへの参加、場合によってはコーチングを受ける機会もあります。

lesson

通っているテニススクールのイベント、テニス用具メーカーのイベント、関連商品を購入した方への特典としてレッスンイベントへの招待等があります。プロ自身が、或いは団体としてプライベートレッスンを請け負っておられる場合もありますね。

プロのレッスンを受ければ上達するのか?

「プロのレッスンを受ければ上達するのか?」への質問に身も蓋もない言い方をすれば「その人の意識次第」と答えるでしょう。

私は「自分のテニスを上達させるのは結局、自分次第。コーチや周りの人達ではない」と思っています。

French Coach

世界No.1コーチにつきっきりで教わっても「必ず上達する」と断言するのは小さいお子さん位でしょう。恐らく多くの方が「やってみないと分からない」と思うであろう理由は各自が「結局、自分次第だ」と自覚しているからではないでしょうか。

もっと高度な事を学びたい?

「プロなら自分が知らない、もっと高度な内容、上達のためのコツを教えてくれるだろう」という期待。

仮に、もっと専門的な事を学びたいと考えた小学生が大学の授業を受けるとします。その意気込みは大事でしょうが、中学、高校、或いはそれ以外の知識や理解がないと「授業を受けるだけ」「授業を受けて分かった気になるだけ」かもしれません。

classroom

先の世界No.1コーチの例ではないですが「説明される内容が意図通りに理解できない、そもそも何を言っているのか分からない」なら上達どころではありませんね。

自分の現状に対してより高度な内容を求めるなら自分自身に相応な知識や理解が必要でしょう。それは上達、向上の効果を高めるためにです。

分かっている人に正解を教えてもらう

我々は、自身がボールを打った経験から「テニスは難しいもの。簡単に上達したりしない。(だから自分は上達できず苦労しているんだ)。きちんとした場所で分かっている人に『正解の打ち方』を教えてもらう事が大切だ」と思いがちでしょう。

レッスン

同時にそこには「自分で考えるなんて面倒くさい。間違っていたら無駄じゃないか。教わるのが手っ取り早いし、確実だろ」という思いがあるかもしれません。

「専門家なら今の自分のままでも分かるように説明してくれるはずだ、何かしらの手段を持って上達させてくれるはずだ」と自身の理解不足、知識不足は考慮しない、ほぼ他力本願な思考になる。

「自分のテニスを上達させるのは結局、自分自身」と考えるならこの状態はマズいです。

コート上で教わった事を覚えていますか?

テニススクールのレッスンでコーチから『教わった内容』をレッスンが終わった後、或いは1週間後の次回レッスンまで覚えているでしょうか?

球出し練習

ボールを打っていると教わった内容をすぐ忘れてしまう。試合をやるとボールを打つのに夢中で直した部分も元に戻ってしまう。そういった事はとても多いでしょう。

また、教わった内容 (こうした方が良いですよ) は覚えていても、レッスンが始まってまた新しい事を教わる。ボールを打ちながら教わった事を整理し、その場で改善できるでしょうか? 来週になればまた新しい事を教わるかもしれません。

レッスンという限られた時間の中、ボールを打ちながら、教わった内容を考えて、改善までもっていくのはとても大変だと思うのです。

学校の勉強でその意味を皆が知っている『予習』『復讐』。ボールを打つ以外の時間、コート外の時間で勉強をしろと言うつもりはありませんが、コーチに教わった事をレッスン後に復習し、理解に欠けている部分を調べ、次のレッスンで行うべき事を考える (予習)。そしてボールを打つ機会で考えた事を検証し、問題があったり、新しい事を教わったらレッスン後に復習する

その繰り返しが、やっていない方々との半年後、1年後の大きな差を生むと思うのです。

幸い、昔と違ってスマホ1つあればどこでもネットで情報を調べられ、動画で確認もできます。

分かっているコーチは初見では『基本的な事』しか言わない

レッスンイベント等に参加するとしましょう。指導してくれるコーチやプロは初めて会う方だったり、自分の事を知らなかったりします。もしかしたら2度と会う機会はないかもしれません。

あくまで私の考えですが、それまで会った事もない、その方の普段のテニスも見たことがない相手、その機会以降、2度と会う事がないかもしれない相手に対して「その方のテニスを大きく変えるような」情報を安易に提供しないのでは? と思います。

その人が意図とは違う解釈をしてしまう。結果、レッスン以降に怪我をするかもしれない。最悪、テニスができなくなるかもしれない。でも、指導したプロやコーチはその後の経過を確認したり、フォローしたりはできません。

参加者の事をよく知らないレッスンイベント等に参加する際、分かっているコーチやプロは「基本的な事しか言わない」「参加者間の知識や理解の差でも差し障りがない程度のヒント」位しか言われない気がします。これはテニススクールのレッスンで初めて教わるコーチでも同様でしょう。

「プロが参加するレッスンに出てみたけれどあんまり参考にならなった」

といった感想を持つのはこの辺りだと思います。

指導する側と教わる側の認識の違いが相互に理解できていない感じですね。(かといってレッスン冒頭に「初見だし、基本的な事しか言わないから」等と言ってしまうと参加者の熱意が下がる)

tennis
Photo by Dima Khudorozhkov on Unsplash

仮にですが指導経験の浅いプロ (コーチは職業だし、研修や経験で学ぶと思う。指導経験が豊富なプロも多い) が “せっかくの機会だから” と「全日本クラスの試合で使っているテクニック」等を教えてしまうようなら「その機会以降に責任を持てない」認識が甘いという事なのかもしれません。(イベント主催者も「盛り上がり」より、そういったリスクを確認すべきでしょうね)

知識や理解がないと「見た目の印象をそのまま口にする」

「その打ち方は “手打ち” だ」といった指摘のやり取りがありますが、どういう動作になれば『手打ち』になるという定義は難しいものです。

tennis forehand

本人にそういう自覚がなくても「人は説明できるだけの知識や理解が足りない場合、目で見た印書をそのまま口にする」という行動を取ると考えます。

先程の「手打ち」の例がそうです。

これが「人は左右の足の力で地面を踏み、同じ強さで押し返される反力を利用して立ち、歩き、走り、止まり、姿勢を維持している。ラケットでボールにエネルギーを加えようとする際、同じ強さで押し返される反動 (作用反作用の法則) が生まれる。足や下半身の力はラケット加速やインパクトの衝撃を支えるのに必要だ。腕を振る段階以前に足や身体の力を使ってラケットを持つ腕や身体を加速させておく。それがなく、単純に「腕の軌道」だけでラケットを動かし、ボールにエネルギーを加えようとするなら「手打ち」と感じられる動作になるかもしれません」といった説明がされるなら、指摘された方もまだ納得感があるし、自身の改善にも役立つかもしれませんね。

このような説明と「その打ち方だと “手打ち” だ」という指摘との差です。

テニスコーチが職業として成り立つ位ですからテニスを教えるにはテニスが上手い以外の知識や経験が必要です。(だから「自分より若い」「学生だ」等と「自分が教わる」コーチを軽く見る姿勢には不同意)

プロだから説明や指導に慣れている訳ではないし、逆に「教えるのが上手い」「咄嗟の質問でも順序だてて根拠を示して説明できる」方は「普段から自分がどうやってボールを打っているのか、どういう動作を使ってどういう効果を出しているのか」が『言語化』されているのかもしれません。

例えば「自分のテニスを見せた事がない初対面の初心者の方に自分がどうやってボールを打っているのか、具体的根拠を持って説明し、その場で打ち方を再現してもらえるか?」と考えれば良いと思います。

普段から自分で考えられていないと「○○するように」といった抽象的なイメージ表現や「脱力が」「プロネーションが」とどこかで見聞きしてきたワードで説明しようとする気がします。

他人に説明できるという事は自分の中で整理できている、自身の上達に役立つという事だと思うのです。